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露花の恋【進撃の巨人】

第1章 Episode 01




「_....で、__...ったことだ」
「っ....でも、そんな...!」

リヴァイが部屋から出てしばらく兵舎を歩いていると、奥の誰もいないはずの部屋から男女が揉めている声が聞こえてくる。よくよく聞いてみると、その声の正体はエルヴィンとエミリーのものであった。リヴァイはすぐさま息を殺し、二人の様子を伺って見る。男は冷静だが、女の方はいつもと違う、焦った声色だった。

「団長の許可は既に得ている。君が気にかける必要はない」
「けれどっ...!そんなのあんまりだわ。せめて次回の壁外調査からに...」
「それだと君にさらに負担を掛けることになる。次の壁外調査はいつになるか分からないのだから」
「そんなのどうだって....待って、誰かいる。誰っ...!」

「チッ....」

女がこちらの様子に気づく素振りを見せると、リヴァイは早々にそこから退散した。二人の会話の全容は定かで無いが、女にとって都合の悪い事は確からしい。とにかくエルヴィンは壁外調査の実施に急いでいる。それは未だ議会からの支持を十分に得られずに、危うい立場にある兵団への考慮もあるのだろう。リヴァイ達にとっても壁外でエルヴィンを狙えるチャンスはそうそう来ないというわけだ。リヴァイの決意はこの時定まった。

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