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露花の恋【進撃の巨人】

第2章 Episode 00




エミリーとスーザンが調査兵になって数ヶ月。二人は運良く同じ班の所属となった。班を指揮するのは若手幹部で何かと注目を集める、あのエルヴィン・スミスだ。



「班長、馬の準備が整いました。今日は隊列を組む訓練ですか?」

エミリーは馬を引き連れ、点呼の結果と準備が整ったことをエルヴィンに伝える。優秀だがどこか読めない上官に毎回ビビりながら、エミリーは質問を投げかけた。

「ありがとう、エミリー。いや、今日は騎乗から立体起動への移行訓練だ。次の壁外調査に向けてより実践的なものとなる」
「なるほど....その訓練は初めてです...」
「だろうな。訓練兵団や他兵団では訓練項目にすら入っていない。腰から下を怪我しやすいから、気をつけろよ」
「....はい」
「....君は筋がいいから、そんなに怖がらなくていい」
「う....」


_______

____


「あー!!疲れた...!!馬から飛び降りて立体起動なんて、死ぬかと思った...!」
「だね...」

訓練後、エミリーとスーザンは休憩所で一服しながら、先ほどまでの"きつい"訓練について話をしていた。新兵の二人以外は難なくこなすこの訓練だが、初めての訓練内容に当たるエミリー達にとっては事情が異なる。それに、二人がこうして話し込むには別の理由もあった。


「エルヴィン班長、噂通り顔はハンサムなのに性格はちっともハンサムじゃない...!!できる様になるまで何度もぶっ続けでやらせるなんて、訓練兵団の鬼教官より鬼だよ...!」
「....確かに」
「もう打ち身で体中が痛いよ」

スーザンは訓練時にぶつけた足の打ち身をさすりながら、そう愚痴をこぼす。幸いエルヴィンが忠告していた様な大きな怪我は起こらなかったが、それでもひどい痛みだった。


「....エミリーは凄いよ。エルヴィン班長には筋が良いって褒められてたし、立体起動への移行もすぐ出来てたし」
「いや...それが私も脛を打っちゃって、すごく痛い...」
「えっ大丈夫!?」
「う....」

訓練兵以上の厳しい訓練に、さすがのエミリーも苦しい声をあげる。そんな様子で、エミリーとスーザンの二人はますますこれからの兵団での訓練に不安を覚えるのであった。
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