第18章 Genesis1:1-5
「そんなの質の悪いストーカーじゃないか」
「ああ…でも当時は同性間でのストーカー行為を取り締まる法律はなかったんだ」
苦笑いを浮かべると、ビールをまた自分のグラスに注いだ。
「…組長に拾われて」
注いだビールを少し飲んだ。
「ヤクザとしてやっていけるとこまできて…やっぱりアイツのこと許せないって、気づいたんだ」
今度は全部飲み干した。
「その復讐…自分の手でやり遂げたのかよ?」
「もちろん」
空になったビール瓶をまとめて持つと、立ち上がった。
「自分の手で殺らないで、なにが復讐って言うんだよ」
それからしばらく、西島と俺は無言で晩飯を食った。
俺は熱が少し上がったみたくて、ふらついたから早々に寝室に引き返した。
ベッドに横になって天井を見てたら、西島の笑った顔が浮かんだ。
人を殺してあんなに清々しい顔してる奴を初めて見た。
西島がいつ復讐を遂げたのかは知らないけど…
それが西島にとって人間らしさを取り戻すきっかけになったってことなのか。
以前の西島は少しとっつきにくかったというか…暗い奴だなって思うこともあったし。
今日の西島は、基本そんな変わらないけどよく笑うし雰囲気も柔らかくなってた。
「楽になった…か…」