第3章 𝔸𝕘𝕒𝕡𝕒𝕟𝕤𝕒𝕤𝕦
「初めまして、我々はヴィラン連合
せんえつながら…この度ヒーローの巣窟
雄英高校に入らせて頂いたのは
平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
なに…何が起こってるの…
黒いモヤのようなものが現れたときと思えば中から物騒な見掛けの集団がぞろぞろと出てきた。相澤先生が飛びこんで戦ってて、私達の前には全身が黒い霧で包まれた人の形をした"なにか"が立ち塞がっている
その場にいる全員が呆然と立ち尽くしている中
切島くん、そして爆豪くんがそのモヤに向かって腕を振り上げ攻撃した
モヤモヤは姿を揺らし、体をぐにゃあとさせた
まるで中身がないみたいに
「危ない危ない………
そう…生徒いえど優秀な金の卵」
体…動かない
拳に力が入るばかりで足は一歩も動かなかった
目の前にいる得体のしれない…初めて自分達に向けられたヴィランの殺意に怯えることしか出来ない
「ダメだ、どきなさい二人とも!」
13号先生の言葉にハッとする
ヴィランの体から溢れた黒い霧がクラス皆の周りをあっという間に覆い囲んだ。みんなモヤモヤに呑み込まれ姿を消していく
『…っ!』
「ッ 秋月 !!」
どこからか突然轟くんが現れ、私の手首を掴み引き寄せる
私達の視界に次に広がったものは倒壊し、建物が雪崩れている荒れ地だった。飛ばされたのは土砂ゾーンだ
『…あ、あれ』
「徹底的にオレたちのことを潰しに来てるな
…… 秋月 は後ろに下がってろ」
斜面一面に殺意丸だしのガラの悪い人達が私達を取り囲んでいた。轟くんは私を庇うように一歩前に出て即座に氷結で相手の全身を凍らせる。見慣れた私もそうだけど、敵のほうが彼の圧倒的な強さに慄いていているようだった
轟くんが前方を倒してる間に、私は後方にいたごく少数の敵と交戦していた。圧縮させた光球を弾丸のようにひたすら撃ち込んだり
レーザーよりも強力な光を集めて放つ光砲(キャノン)を駆使し、遠距離攻撃に努めていた
……近づくのはちょっぴり怖かったから出来るだけ距離を置きたかったのが本音
私が指で数えられる数を倒してる間
轟くんは数え切れないほどの敵を凍らせ、戦闘不能にさせていた