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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第3章 𝔸𝕘𝕒𝕡𝕒𝕟𝕤𝕒𝕤𝕦








『いやぁぁぁあ!!!ムリだよぉもぉ!!!』


私は階段を何段も飛ばして出来るだけ早く前に進めることだけ考えた
呼吸が荒くなっても足が止まるということは決してない
それだけ、絶対にない


「おせぇんだよッ!!!殺して下さいって言ってるようなモンだわ!!!」

階段が終わり地面に足が着いたとき、階段上に姿を見せた爆豪くんが片手を構えて激しい爆発を私に発動させた


『っんあ!!!』

私は爆風に吹き飛ばされ地面に転がる
爆豪くんがいつも通り余裕そうな笑みを浮かべやってくる
私はなりふり構っていられず、手のひらを前に出し太陽高度を放出する
初めて彼に浴びせてしまったときと違うのは1ミリの躊躇いがないこと


爆豪くんは腕で視界を遮った
………チャンス!!!!
私は個性を発動させたままそーっと横にズレる
逃げようとしたときだった


「…んなチャチなモンが二度オレに通用するわけねぇだろーがッ!!!」


その瞬間彼の体が爆風によって浮いて
私の前にあっという間に立ち塞がった
……なんで目閉じてるのになんで私の場所が分かるの?

『…………もしかして…』


瞼の裏から光の位置を把握してる…?
例えそうだとしても正確すぎる…きっと彼の優れた勘が後押ししている




にじり寄ってくる彼に比例して後ろに後ずさる
……何か何かないかな…この場さえ切り抜けられれば
光を消せば目を使って私を攻撃してくる
いま光を消すわけには行かない


私は上手くいくかも分からない中一つの作戦に出ることにした




「…逃げんの諦めたンか…
はっ、もうオレに手も足も出ねぇってか?」

私は自分の隣に自分と同じ大きさの光球を作り上げる
高度はもちろん太陽と同じ
自身の手のひらから光を消し
それを身代わりにして光子を纏い全速力で逃げる

走ってる途中で逃げた方向から爆破音が聞こえ、身代わりが破壊されたのだと悟る
…きっとこの作戦も明日には攻略される


この非日常はもう二週間近く続いてる
一日一回、休み時間放課後どこかの間で追いかけられる
爆豪くんはただただ私を追いかけ捕まえようとするだけ
私は小細工を使って今日みたいにギリギリ逃げられるのがお決まり


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