第3章 𝔸𝕘𝕒𝕡𝕒𝕟𝕤𝕒𝕤𝕦
翌朝詰め寄るマスコミの群れを突破するのに骨が折れそうだった
「やっぱりさオールマイトの授業は…ってキミめっちゃ可愛いじゃん!なに?キミも戦うの?」
『え、あの…えっと…わたし』
必要以上に詰め寄られ、強気で言い返したかったのに言い返す前に質問攻めされ上手く躱せない
「いやーねぇヒーローよりさ、アイドルとか芸能系列のほうが向いてそ…」
「話してるとこわりぃが邪魔だから退いてくれ」
冷たく言い放ち私の腕を引いていく轟くん
しつこく詰め寄ってきたマスコミの男の人は彼を見るなり大人しくなった。呆気に取られ、その背中をただ見つめる
玄関口につき、何事もなかったように手を離される
…昨日、自分でも分からなく泣いてしまった場所
でも不思議とスッキリした気分になっていた
それもきっと_______
「ああゆうのはいちいち構うだけ時間の無駄だろ」
『うう…迷惑かけてごめん…』
私にはあんなふうにハッキリ言うことが出来ない
ましてや無視するのも罪悪感故に出来ないから論外だ
『…まずはこうゆうところからだよね』
席につき、朝のホームルームが始まるまで恒例のネガティブタイムに浸っていた
「学級委員長を決めてもらう」
相澤先生の一言で大人しかった皆が一斉に手を上げ「自分がやりたい」と主張し出す
…私には…ちょっと重い…!
飯田くんの案で委員長は投票で決めることになる
私は直前まで悩んだ末緑谷くんに入れることにした
緑谷くんのほんわかした雰囲気はクラスをいい方向に導いてくれそうだったから
結果は緑谷くん4票で緑谷くんに決まった
副委員長は2票を獲得した八百万さんだ!
私は小さく「よし!!」と呟く
けど同時に落胆した様子の飯田くんに申し訳なさを覚えた
『えぇってことは…』
「あぁ、それがオレの兄さ」
「あからさま!!!すごいや!!!」
私達は四人で学食を囲っている最中で
飯田くんのお兄さんがターボヒーローインゲニウムだと知り思わず喉に米をつまらせるところだった
「規律を重んじ、人を導く
愛すべきヒーロー!!
オレはそんな兄に憧れヒーローを志した」
「人を導く立場はまだオレには早いのだと思う
上手の緑谷くんが就任するのが正しい!」