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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第1章 𝔸𝕗𝕣𝕚𝕔𝕒𝕟 𝕔𝕠𝕣𝕟 𝕝𝕚𝕝𝕪






「…タイミング逃したから今言うけど
ひかりちゃんがオレの名前口にすんの愛おしすぎてどうにかなりそうだった」


さらっと言うものだから構えることが出来ず、撃沈してしまう
今度は私が真っ赤になる番で啓悟くんが笑みを漏らす


「あとその羽根さ
御守り代わりだと肌見離さず持っててよ
ひかりちゃんを悪いムシから守ってくれるだろうから」


…羽根?
何のことだろうと手元の花束に視線を落とした時
先程までなかった紅く靭やかな彼の個性である剛翼が一羽添えてあった
再び顔を上げようとしたときバサッと効果音と鋭い風が顔に刺さる


「返事、次会ったときに聞かせてよ
じゃあね、 ひかりちゃん」

『…ッまって…!』

一方的に告げられ、啓悟くんの姿が淡い赤黄色に染まった西空に溶けて消えていく。しばらくそこから視線を動かせなかった。



私は花束を左手で支え、右手で彼の剛翼を摘み取る。ふわふわした感触に自然と口角が緩む。


『…次っていつなの』

ポツリと放った独り言は夕暮れの空に飲まれる
羽根を持ったまま右手を上に上げ、そっとキスを落とした。















まだ蕾かもしれない















けれど花を咲かせるその日まで
私にも分かるといい




















私にもイキシアが咲きますように
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