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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第8章 𝕊𝕦𝕟𝕗𝕝𝕠𝕨𝕖𝕣


《 ひかりside》


゛けどオレはそれごとてめェを受け入れてやる
ひかり好きだ。 ゛

好きだから触れたいと勝己は前にそう言ってくれた。
私に触れるのは好きだから______


『…わたっ…え?…ウソ…冗談だよね?』

「誰が冗談でてめぇに告るかよッ」

まじまじと私を見つめるが視線に耐えられなくて横に逸らしてしまう。それは初めて啓悟くんに言われて、轟くんに言ってほしくて、それで…


私は誰に言おうとしたんだっけ



『なんで…その…好きなの…?』

「…あ?言うわけねぇだろアホか」

つい口を噤む。もうすぐであともう少しなの…どんな気持ちなの?察してくれたのか、別に言っても構わなかったのか勝己は渋々と言った感じで口を開く。

『ガキの頃からずっと好きだからわかんねぇ』

「…え?小さい頃からってこと?それから今の今まで??」

『ムカつくからブッ殺す』

勝己の両手が私の頬を挟み、顔がやってきて触れるだけのキスを落とされる。その瞬間がやけにスローに見えて、彼の顔が妖艶で美しくて見惚れてしまう。







その瞬間意識が切り替わる。一面花畑で鮮やかな花たちが見てくれと言わんばかり咲き誇っている。

花畑の中心に二人の影。今と対して変わらないホークスとまだ中一の頃の私

あぁ思い出したこれは中一の五月の春の日
一ヶ月遅れて入学祝いに連れて行ってもらったんだ

「結構マジで言ってんだけどね
この先 ひかりちゃんが誰とも出逢わなければいいと思っててさ

そしたらオレが貰ってあげられるから」

この言葉が妙に嬉しく感じて、同じくらい寂しかった。まるで出逢うことが決まってるような口調だったから。

『……あっ!この花めっちゃくちゃかわいい!!』

偶然目に入った花に目が奪われる。針金のような細く伸びた茎に小ぶりな花が沢山咲いてる。内側と花弁の端が濃いピンクに染まっており他の部分は黄色っぽい白。可愛らしい花と言う感じじゃないけど、すっと心に入ってきてこの瞬間から一番好きな花になった。

「あ、ほんとだなんか ひかりちゃんっぽいかもね」

指さした先を一緒に眺めるホークスが変なことを言うから笑いながら聞き返す。

「いやだって、小さくてフワフワしてそうなとことかそっくりでしょ」

『期待してなかったけど、うれしくない!』

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