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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第8章 𝕊𝕦𝕟𝕗𝕝𝕠𝕨𝕖𝕣


《 ひかりside》


「…爆豪くんほんとに優勝したね」

表彰台で拘束されてる彼を見ながらお茶子ちゃんが呆然と呟くのに対して頷く。
轟くんが準優勝で、常闇くんが三位

オールマイトが一人ひとりにメダル授与と講評をしている間に私は顔を上げて空を仰ぐ
一年のビックイベントの一つ体育祭が終わろうとしているのに実感が湧かない

私はというと青山くんに勝ったものの二回戦は常闇くんと当たって見事に完敗…
常闇くんのダークシャドウに私の光ならイケるかもと思ったけど…

ダークシャドウの隙のなさとずば抜けたパワーに威力…個性の相性以前の問題だ
「彼は近距離戦だと最強だな」と飯田くんが言った言葉が痛いほど痛感し、そのとおりだなと思った




三奈ちゃんに「このあとどうするー?」と聞かれ、少し迷ったものの『先約がある!』と断わった。


゛…オレが優勝したら教室に来い
てめェ一人でな ゛


体育祭の最中、頭の端でなんだろってずっと考えてた。…話があるってことだよね
不思議な胸騒ぎは気分が高揚してるのか、緊張してるのか分からない

轟くんには一緒に帰れないと伝えないと

教室に向かう前に保健室に足の向きを変える。緑谷くんとの二回戦といい決勝戦
体への負担が相当きていて体育祭が終わったあとも念のためにとリカバリーガールに呼ばれてるのを近くで聞いていた

怪我の様子も気になるし…ちょっとだけ会いに行く時間はあるよね


息を整えて保健室のドアをノックしようとしたとき

ブルブルと手の中のスマホが震えノックを阻止させる。

『…ひゃっ、勝己くん…!』

タイミングばっちりにかかってきた着信に応え、耳に軽くスマホを当て、電話の向こうの彼が声を発するのを構える

「…どこにいんだよ」

『…えっと、廊下?』

なんだか轟くんに会いに行くとは言いづらくて歯がゆい回答になってしまう。勝己くんも「…あ?」と鋭い声で言うから背筋が伸びる。

『今から行くとこだったの!あと五分以内には着かせる』

心のなかで『せっかち、、』と何もない空間を睨みながらぼやく

「遅ぇ、一分以内に来いや」

『三分!』

「三十秒」

『なんで短くなってんの?!』

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