第29章 【ケツのツケ】
最近の海人は可愛いが過ぎる。
もともと可愛い顔やのに肌がぷるんぷるんで
目がきゅるんきゅるんのうるうるで、、
目に星でも入れとるん?ってくらい
水分量の多すぎる瞳でみつめてこられたら
たまったもんやない。
ほんで、極めつけはあの髪よ。あの額縁はあかん。
あんなん…可愛いって言われ待ちやん。
どういうわけか最近の海人は
髪型で失敗することがグンと減った。
というかむしろほぼない。
前はワンシーズンに1回は笑わせてくれとったのに
俺様の最推しのアニーヘアーどころか面白くも
なんともない褒められヘアーばっかしてきて
アイドル的に喜ばしいことなんは
わかんねんけど…つまらん。
ぶっちゃけ、“くそっ!海人髪伸びんの早いん
やから、たまには失敗しろや…!”って思ってまう。
おまけに、顔だけならまだしも、
まなみのせいか映画はとっくに撮り終わっとんのに
仕草まであんなことになって…
男がウジャウジャおる歌番組はほんまに頭が痛い。
わざとか知らんけど、いつにもましてあざといし…
はぁーーー…
ホントは突っ伏したいくらいやったけど
メイク台の鏡に映るヘアメイク済みの自分の顔から
見張られてるようで、ギリギリの理性で
メイク台の前に座ったまま頬杖をつく。
「廉、どしたの?すっごい深いため息。」
「……ため息、ついとった?」
「無意識だったの?もう、すっごかったよ 笑
幸せが逃げちゃうくらいの!」
「…はぁ?逃げんやろ、そんなんで。」
「えー?わかんないけど!
でも、逃げちゃうって言うじゃーん!」
くっ…可愛ぃ…。
コイツ、ナチュラルに腕組んできやがった。
海人がニコニコしとるだけでこっちまで顔が
緩んでくんの、マジでどうにかしたい…。
***
俺と海人は体の関係がある。
いつからかっていうと…2人になって暫く経って
自分らに言い聞かせるように
「肩肘張らずに2人のキンプリ、楽しもう!」
って言い合っとったあたりからやったと思う。
特にその頃の海人は2人の強みを早く見つけなきゃ!
って四六時中キンプリのことばっか考えとって。
「海人が全然返事くれないんですけどー」って
まちだ君からクレームが入ったりするくらい
いろいろと余裕なかったっちゅーか…