第8章 違う人と任務
「ふふ、何だか私だけ蚊帳の外のようだ。どれ…今回は私が鬼を買って出よう」
夏油くんは私達から20メートル程離れたところに立った。
「準備はいいかい?」
「ええ」「いいよ!」
「傑相手だからな、ガチでいくわ」
「それじゃあ…、はじめの一歩」
夏油くんの開始の合図に合わせて、大股で一歩踏み出す。
なまちゃんは歩くという概念がないから、宙を泳ぐように移動した。
私もなまちゃんも動けたのはほんの少し。
スタートラインで隣にいたはずの五条くんは……
「タッチ!はい!傑の負けー!」
「悟、瞬間移動はルール違反だ」
開始10秒で反則負けをしていた。
「瞬間移動がダメって法律あんのかよ?」
「最初の合図では、大股で一歩だけしか進んではいけないんだ。法律云々の話は馬鹿らしいからやめな」
夏油くんに諭されて、渋々負けを認め…るわけはなかった。
「誰が決めたんだよ。何時何分何秒地球が何回回った時?」
流石は中身小学生ね。
お得意の屁理屈でごり押す気…?
「もう!さとるおにいちゃんのまけだよ!はやくすぐるおにいちゃんとてつないで!」