第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
予定より早く帰って来たひなたに、お母さんは少し驚いていた。
「ひなたちゃん、一人なの?…」
「ううん、送って貰ったよ」
お台所にいたお母さんが心配そうに言うから、何もなかったように振舞った。
「水族館は楽しかったの? 」
「うん!凄く綺麗だった!…クラゲがね、沢山いたの」
行ってもいない水族館の話をして、お母さんの淹れてくれたお茶を飲んだ。
「ママ、実弥さんにお礼も言わないで…。帰ってしまったのね」
残念そうなお母さんを見ていたら、ひなたもまた、さっきの悲しみが襲ってくる。
すごく良い感じだったのにな…。大正時代に行く前に、不死川さんと仲良くなれて嬉しかったのに。
こんな気持ちのままで、行くのかな。
「そうだわ!ひなたちゃん、お夕飯に不死川さんをお呼びしたらどうかしら。おじいちゃまも喜ぶわ。ね? 」
ひなたは何て答えようか迷ってしまった。
「あ、あのね、不死川さんは用事…」
言いかけたら、お台所にお父さんが入ってきた。
「ひなた。不死川君が来てるぞ」
「えっ⁉︎ 」
「あらあ!! 」
ひなたとお母さんは同時に言った。おかげで、ひなたの動揺が両親に伝わる事はなかった。