第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
不死川はお弁当を食べながらひなたの口元にも運んでくれる。
「ひなた、ご飯も食べろ」とか、おかずを選んでは、サラダを食べるひなたにお弁当を食べさせようとした。
「不死川さんも食べて」
ひなたはクスクス笑った。不死川さんが、お兄さんを通り越してお父さんみたいになっているからだ。
「何だァ、ひなた。もっと食べないと少食すぎんだよ」
「食べてるよ」
不死川にご飯を口元に持って来られると、ひなたは笑いながら食べた。
「じゃあ、その小さいハンバーグも少し」
「うん」
ひなたから言われて嬉しそうにハンバーグを一口、切り取ると不死川はまた食べさせた。
可愛いらしい唇で不死川の持つ箸から食べるひなたに、ついつい甘い顔になる。
「美味しかったね!次、これも食べよう」
デザート用に買っておいた抹茶ムースには、お店の人が親切にスプーンを入れてくれていたけれど、一本だ。
ひなたは、抹茶ムースと小豆を掬うと、不死川の方へと差し出した。
「はい。不死川さん」
「…おぃ…」
不死川の頬が僅かに染まる。
「私には食べろって言ったのに、食べないの? 」
「…いや、そうじゃねェけど…」
可愛い彼女には食べさせてやりたかったが、逆の立場になると、急に照れて恥ずかしくなってしまった。
「はい。不死川さんっ」
「…もう!何だよ! 」
不死川はパクッとスプーンからムースを食べた。
「美味しい? 」
ひなたが顔を見てくる。直視できない可愛さだ…。何て可愛いんだ…。
「美味い。あとはお前が食え! 」
「一緒に食べようよぉ」