第7章 インターハイ予選までの1週間
洋「ずっと黙っていたが、お前が花道のことを一途に想うように、中学の頃から、一緒に居始めた頃からのことが好きだ」
胸の奥に、ずしりと重いものが落ちた。
それは驚きと、戸惑いと、そして――はっきりとした“想われていた事実”。
「うそ…だって私のことなんてみんな…」
洋「嘘じゃない。好きだ」
即答だった。
一切の迷いがない。
水戸の目は、まっすぐを見つめていた。
そこに嘘の影は、どこにもなかった。
「…」
声が出ない。
胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。
洋「戸惑うのは分かる。花道のことが好きなのも、もちろん知ってる。たださ、少し考えてくんねぇかな。インターハイ終わるまででも、いつまででもちゃんと待つからさ」
「で、でもさっき花道に告白しろって…」
洋「うん、もちろんそれもちゃんとしてこい。それで花道とうまくいったなら、それはそれで俺は嬉しいよ。なら分かるだろ?俺の気持ち」
その言葉で、ははっきり理解した。
水戸が自分に向けている想いが、
自分が花道に抱いてきた想いと、同じ重さだということを。
「あ…」
洋「だから、花道にちゃんと告白して、長い時間かかってもいいから、少し考えておいてくれ」
「…」
洋「返事は?」
は少しだけ間を置いて、小さく頷いた。
「わ、わかった…」
洋「ありがとよ。それじゃあそろそろ昼休みも終わるし、戻るか」
そう言って、水戸はの頭にポンと手を置く。
いつもと変わらない、けれど今までとは違う意味を持った仕草。
水戸はそのまま屋上の扉へ向かって歩き出した。
は一瞬その背中を見つめ、それから小さく頷いて後を追う。
胸の中には、
花道への想いと、
水戸の想いと、
そしてこれから向き合わなければならない“選択”が、静かに重なっていた。