第6章 リョータ・三井復帰
三「ガキどもが…俺たちをなめてんな…」
三井の声は低く、体育館の空気をさらに濁らせた。
怒りでも、苛立ちでもない。
“何かを踏みにじることに慣れた人間”の声だった。
そんな張り詰めた空気を裂くように、
ドンドンッ!!
体育館の扉が激しく叩かれる。
木「まずすぎる…」
木暮の顔色が一気に蒼くなる。
今ここを見られれば、完全にアウトだ。
騒ぎなど言い訳できないほどの“戦場の空気”が広がっていた。
だが、桜木軍団はこの緊迫をむしろ吹き飛ばす勢いだった。
洋「グズグズしてらんねぇな…行くぞ!」
水戸の低い声が、仲間たちの背筋を一斉に正す。
高宮は堀田へ、大楠は竜へ、野間はその他の不良へと向かい、
一瞬で練習用の体育館は「喧騒」へと姿を変えた。
その様子を見届け、三井は舌打ちしながら命じる。
三「行け」
不良たちが一斉に動く。
その中で水戸洋平だけは、悠然と、まるで自分の庭のように歩み出た。
洋「おい、逃げんなよ、主犯」
三「ああ?」
ゆっくり振り返った三井の視線に、
水戸は薄笑いを浮かべてひと言。
洋「相手がいねんだわ。あんた相手してくれよ」
三井は低く唸り、地を蹴る。
洋「来な」
三「小僧…死にてぇらしいな。ぬぁ!!」
一気に踏み込んだその瞬間――
ドガッ!!
たった一発。
水戸の拳が吸い込まれるように三井の顎を捉え、
三井の身体がくの字に折れる。
洋「おい、くたばるのはまだ早いぜ。立てよ」
厳しい声。
体育館の空気を完全に水戸の支配下に置く声だった。