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イケメン戦国 書き散らかした妄想

第11章 恋慕3−2 花の裁き ヤンデレEND【家康】R18


だめ

私、いなくならなきゃ

ここから

でも…

名無しは呟き続けた。

あれから何日経ったのか。

眠っているのか、起きているのか、正気を保てているのか、もうわからない。

「名無し」

すっと耳に入った低い声に、ふと意識が浮上していく。

それとも、ずっと名前を呼ばれ続けていた?

その声の主を探して布団の側に置かれた机に視線を向けても、家康の姿は無かった。

できるだけ名無しの側にいられるよう、家康は必要な什器や材料を牢の中に持ち込み、薬の調合をしていた。

名無しが目を覚ますといつも、ここで作業をしているのに。

「名無し」

先程よりもはっきり聞こえたその声…!

名無しはままならない体を引きずるようにして、鉄格子の前まで這った。

「…信長さま…」

鉄格子の向こう側には信長が立っていた。

その堂々たる姿から放たれる光が、薄暗い牢にすっかり慣れてしまった名無しの目を鋭く刺す。

「あ…あ…」

胸の痛みを伴いながら、とめどなく溢れる感情が纏まらず、全く言葉にならない。

「…良い」

そう言った信長の瞳は赤い月のようで、

あまりにも超然としていて、

見つめられると名無しの心は不思議と凪いでいった。

「言わずともわかる」

胸にじんわりと響く低い声には全知の包容力があり、

「ああ…」

次第に感情は涙となって名無しの瞳からポロポロとこぼれていった。

信長は鍵がかかっていたはずの扉を簡単に開け、名無しの目の前まで歩み寄る。

そして差し出される大きな手。 
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