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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第12章 *File.12*(R18)


「オレはまだ怖いよ」
「?」

さすがに一度風呂に入り、ベッドを整え直した。水分が欲しくなって、ベッドの端に座って喉を潤す。

「雪乃がある日突然、元の世界に戻るんじゃないかってね」
「……」

傍に座っていた雪乃が何度か瞬きをした後、膝立ちになって、オレの背中にぎゅっと抱きついた。

「それは、ないよ」
「どうして?」
「私、自分の通夜とお葬式、見ちゃったから」

静かな返答だった。

「!!」
「こっちに来たのは、納骨まで見届けた後」
「…ごめん」
「景光が謝ることはないの。ずっと不安にさせてたんだね」

とても辛いことを思い出させてしまった。
堪らなくなって、軽く腕を引っ張ると膝の上で抱き締める。

「でも少しホッとしたの。自分のために泣いてくれた人がいたから」
「雪乃が実は元の世界で一命を取り留めて、今では元気に生活してる。とか、意識不明のまま長期入院してるだけで、目が覚めたら消えるんじゃないか。とか、色々考えたよ」
「ありがと。それからごめんね。最近よく思うの」
「ん?」
「元の世界で死ななかったら、当たり前だけど、私はあのままずっとあっちにいたわけで」
「そうだね」
「この世界は漫画の世界で。当たり前だけど私はただの漫画の読者で、こうして景光と出逢うことも話すことも触れ合うことも、愛し合うことも有り得ないことで、同じ毎日を繰り返すだけだった。新たな出会いもなさそうだったし、独身のまま歳を取って最期を迎えるのかな?なんて時々考えたり。でも一人だったら好きなことは出来るし、気を遣うこともないしゴロゴロ出来るし、それはそれでいっか。って人生半分諦めてたよ。とりあえず、元気に仕事行って、自分らしい生活が出来てたらいいや。ってね」
「世の中の大半の大人は、そう考えてるかもしれないな。オレはそんなことを考える暇もなかったし、良くも悪くも、雪乃に出逢うまでは仕事しかしてなかった。ただ、休みにゴロゴロはしないよ」
「ふふ。休みの日は好きなだけ寝て、適当に食べて、たまに友達と買い物行って。かな?」
「好きなだけ、寝て?」
「そっ。読書したりテレビ見たりスマホいじって夜更かしして、起きたらお昼、とか」
「……」
「ノンストレス生活」
「オレと離れてた時は?」
「たまーに、そんな日もあった。かな?」


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