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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第12章 *File.12*(R18)


「ハア」

最低限の内容で済まされ、半ば強引に切られた通話。
サイドテーブルにスマホを置くと、ワンルームのセーフハウスのベッドに寝転んで目を閉じた。
思い返せば、心当たりはいくつかあった。
入院中に一度。

『新しい部下はできた?』

何気ない会話の途中で何の違和感もなく雪乃にそう訊ねられた時、一体どんな状況だった?
そもそも公安内部のことを一度も彼女から訊ねられたことはなかったから、あの問いだけはずっと忘れられずに頭の片隅に引っかかってはいた。
あとは退院してまた二人で暮らすようになって仕事に復帰してから、玄関先で出迎えてくれた時に何度か。
ホンの一瞬だけ、眉を寄せたことがある。
でも、次の瞬間には何事もなかったかのような笑顔があった。
そして何故、今?
共通しているのは?

『お互い様だ』

雪乃は今ゼロと二人。
二人?
あの時、雪乃が来る前に病室にいたのは?
眉を寄せたあの日、最後に誰と仕事をした?
そして今。
今?

「あー、なるほど」

病室と今が共通するのは、相方として共に行動している一人の部下の女だ。
そう、女。

「ってことは?」

嫉妬した?
んだよな?
だから、ゼロのとこに?
いや、ゼロのとこに行ったのは、怒ってるよ。
それもオレが帰れない時を狙った。
でもあの、雪乃が?
今ってことは、部下と二人で歩いているのを雪乃本人に何処かで見られた。
しかない。

「ハア」

どうしよう。
めちゃくちゃ嬉しいよ。
だって、それだけ雪乃に愛されてるってことだろう?
何時もゼロや松田に嫉妬させられてるのは、オレの方。
その所為もあるのか、顔がにやけて仕方ない。
物凄く不謹慎だ。
それは分かってる。
今の雪乃の心境を考えれば、謝るべきことだ。
だからこそ、今ゼロといる。
そして部下がただの女。
だからじゃない。
何かがきっかけで雪乃自身が、部下のオレへの気持ちに気付いた、から。
直接言われたことはないけど、さすがにオレもそこまで鈍くないよ。
最近は態度があからさまになって来たから、困ってはいた。

「……」

登庁すると周りは事情を知らないから冷やかしてくるし、だけど雪乃のことは誰にも言えないから、オレはずっと恋人がいないことになってる。
いっそ、結婚するか?


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