第6章 モブリット ヤキモチ
部屋に入るとモブリットがトレーを机に置いて アンナを窓際に連れていき 口の中を確認した
「左側が切れてるね…痛みはどう?」
「大丈夫じゃないけど 我慢できるくらい」
朝に見た顔より殴られた時の痣が濃くなっていた モブリットは痣の辺りを指でなぞった
「早く着替えて 医務室に行こう」
リヴァイの部屋で甘えすぎのアンナにケジメをつけたモブリットだったけど今は2人きりなのもあってか甘くなっている
「モブリットごめんなさい…嫌な思いをさせたよね 相手がリヴァイだったから安心してしまって」
アンナの感覚ではリヴァイは姉弟みたいな感じでいるし リヴァイもそんな節がある
それを知っているモブリットだとしても 他人の男と女だからいい気分ではない事はアンナにでも分かる
一瞬黙ってしまった モブリットにアンナはギュッと抱きついた
「本当にごめんなさい私に必要なのはモブリットだけだから…嫌いにらならいで…」
「俺も同じでアンナが必要だよ この世界でアンナに逢えたから俺は…ハンジ分隊長を守れる」
「モブリットが居るから私も怖くない エルヴィンとリヴァイを守れる」
お互いの体を抱きしめた
「今日の夜はアンナと一緒に寝たいけどいい?」
「モブリットの匂いと温もりに包まれたら深く眠れそう」
「ふふっ…寝かせないかもしれないのに いいの?」
腕の中のアンナの体温がじわじわと熱をもつ
「ねぇ…アンナ返事は?」
答えは分かってるくせにに意地悪モブリットはアンナに聞いてくる
「言わない…」
「じゃあ駄目って事か…残念だな」
顔を上げたアンナの目元と頬が赤く染まっている 少し潤んだ琥珀色の瞳がモブリットを可愛くにらむ
「今日は遅くなっても必ず来て…待ってる」
「必ず行くよ リヴァイに見られたアンナの綺麗な足にいっぱいキスをする…心臓以外は俺に捧げてくれた大事な体だから…」
いつも穏やかなモブリットがこんがりとヤキモチを妬いているのが分かって アンナのニヤニヤが止まらない
にやけた顔をモブリットに見られたくなくてギュッと抱きついてアンナは誤魔化した