第6章 モブリット ヤキモチ
壁外調査から帰還して書類の処理に幹部達が忙殺されている頃 リヴァイも例外ではなく書類に集中していたら夜中になっていた
隣にあるアンナの机の上には未処理の書類が溜まっている
アンナは戦死者の家族に報告に行っている 遠方の小さな村らしく早朝に出発した
「まだ帰ってねぇのか…」
頭が冴えて眠れそうにないリヴァイはテラスに行き星を見上げ疲れた目を休めていた
しばらく見ていると空気が微かに揺れ人の気配がした 振り返ると汚れたマントを被って団員が寝ている
こんな所で寝やがって…
しゃがんでフードを上げ顔を見ると アンナだった
顔が泥で汚れて 鼻血を出したのか 鼻腔や頬やアゴに血液の固まった後と涙の乾いた後もあった
「アンナ…どうした?」
肩をつかみ揺さぶると薄く目を開ける
「リヴァイ…?もう動けないからこのまま寝る」
言いながら目を閉じたアンナをリヴァイは横抱きにして自分の部屋のソファーに寝かせた
ランプの明かりの下でよく見るとアンナの顔には痣があった
泥で汚れたマントとジャケットを脱がせた
タオルを濡らしアンナの顔の汚れを拭いてから ブーツを脱がせて足も拭いた
落馬でもしたのか?
色々と聞きたいが本人が眠ってしまった
153cmのアンナはソファーにぴったり収まっていて リヴァイはそのまま寝かせる事にしてブランケットを掛けてやる
そんな事もあり結局リヴァイがベッドに入った頃は空が白み始めていた
コンコン コンコン
何度も聞こえるノックの音でアンナは目が覚めた
この叩き方は…モブリットだ…
起き抜けのボーッとしたままでアンナはドアを開けた
「えっ…?」
モブリットは絶句した
ボサボサの頭にブラウスの胸元は はだけ
下はズボンも履いていない…生足姿のアンナがリヴァイの執務室のドアを開けたから
はだけた胸元から見える鎖骨あたりに薄く赤い痣があるし 足にも同じ痣がある
「アンナ…どうして……」
モブリットが混乱していると奥の寝室から寝起きのリヴァイが出てきた
「アンナ…起きたか?……!」
寝起きのリヴァイが見た光景は 誤解されても文句が言えない状況でモブリットと目が合った
そんな男2人の微妙な空気の中でアンナは
「モブリット…おはよう」
と モブリットに抱きついた