第15章 決別
そう思ったところで、不意に過去の記憶が蘇る。
『今日がおそらく、あなたと話が出来る最初で最後になるわ。』
あの時は、記憶を失った筈のエニシがイタチを訪ねてきて驚いたものだ。
エニシは、シスイを止めてほしいと、そう言っていた。止めなければ命を落とすことになると。
あの日の約束を、彼は果たすことが出来なかった。
それも、後ろめたい蟠りの一つでもあった。
『私達はきっともう一度会うことになるわ。その時に”私”を教えてあげる。』
あの時は、そう疑問にも思わなかったが、よくよく考えてみれば、可笑しな言い回しである。
おそらくだが、’’私’’とはエニシの事ではないのではないか。
では、’’私’’を指し示すものは何か?
昨晩のエニシと過去に会ったエニシの雰囲気はよく似ている。
いつかの日に、サソリとデイダラとの死闘を繰り広げた時もそうだった。
まるで別人かと思うほど、普段のエニシとは似つかない。