第6章 デートの練習
何に怖がって怒ってるんだろう。わからない。
震えが止まらなくて五条先生のスタジャンの袖から腕に持ち替えて、ぎゅっとその腕を掴んだ。
頭痛はさらにひどくなり、目眩を感じて軽く目を閉じる。
「どうかした?」
「ねぇ、獄門疆の中って暗い?」
「まぁ、明るくはなかったね」
「真っ暗なの。今」
「は?」
持病が再発したんだったらどうしよう。頭が割れるような持病に似た痛みがズキズキと襲ってくる。
「助けて、ごじょ……せんせ」
ジョーって呼ばなきゃいけないのにそんな理性が働かなかくてそのまま呼んだ。
「おい」
「う……ん」
意識がどこにあるのかよくわからないまま、私はまるで渋谷事変で無量空処を受けた一般人みたいにぼうっとそこに立ち尽くした。