第6章 デートの練習
私が仕事に行ってる間に、五条先生はこの木造アパートの立地や歴史を調査したらしい。
だけど、呪術界との関わりは感じられず、呪いが溜まりそうな古い寺社、学校、病院などが近くにないかを調べたけどそれもなし。獄門疆や羂索との接点も見当たらないと言う。
時空を操る術師がかつてこの地に住んでいた可能性も探ったけど、今のところその形跡はないようだ。
ちなみに私も、何度か五条先生に頼まれて、ベッドの上の(健全な)お手伝いをした。
五条先生がやって来た日と同じように、深夜に横になって、頭の向きを変えてみたり、転がってみたり、五条先生早く獄門疆から出て来てって頭の中で祈ってみたり。
だけどこれといって何も起きない。クローゼットの中は至って静かで、あの日暗闇の中で鳴り響いたガタンという衝撃音や、五条先生が見たという赤い光が漏れ出すような事はなかった。
つまり――手詰まり状態。
「もしかしたらジャンプの最新号に何か獄門疆の話が出るかも」
そう思って、数日前、私と五条先生は月曜の0時きっかりにジャンプ+のアプリを開き、本誌の呪術廻戦を隅々まで読んだ。原作者が何か獄門疆の情報を落としているんじゃ? と期待して。