The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「そう、あの日…東卍は初めて負けた」
「え!?東卍が負けるんスか!?“無敵のマイキー”がいるのに負けるワケ…っ」
「……いや。マイキーのせいで東卍は負けたんだ」
「……マイキー君の…せい…?」
武道とドラケンの会話を聞いていた直人は息を飲む。
マイキーのせいで東卍が負けた…それは信じられないような言葉だった。
何故彼のせいで?そんな疑問しか浮かばない。
「あの日、なんでオレは気付いてやれなかったんだろう…。マイキーのまだ15歳のガキの背負ったデッケェ十字架を…。あの日マイキーは一虎を殺した」
「え?」
「マイキーは捕まらなかった。なぜなら稀咲が身代わりを用意したからだ。マイキーは堕ちた。東卍は芭流覇羅に乗っ取られ、総長マイキー。そして“総長代理”稀咲を筆頭に…“相談役”として無理矢理着かされたイズミっちの力で巨大組織に膨れ上がった」
「え…?相談役?和泉が!?」
「ああ…稀咲の手によってな。脅されたんだ…和泉は……タケミっち。お前を殺すという言葉でな」
知らなかった。
和泉の力で組織が巨大になっていったのを、彼女が脅されて相談役という地位にいたのも。
全て知らなかった武道は目を見開かせてから絶句した。
稀咲は何故そんな無理矢理にも和泉を、東京卍會の相談役に着かせたかったのだろうか。
そして1番の困惑は何故マイキーは一虎を殺したのだろうかという事。
「今思えば、稀咲が東卍に入ったのは初めからマイキーとイズミっちが目当てだったんだろうな…」
「ちょっと待ってくださいよ。マイキー君が一虎君を殺した?嘘だ…」
信じられない、信じたくない。
武道はそんな思いを溢れさせながら、アクリル板に両拳を押し付けた。
「マイキー君が人を殺すワケないっ!!」
「オマエはあの時のマイキーの立場になっても、一虎を殺さない自信があるのか?兄を殺した仇だぞ?そしてあの日一虎は…場地を殺したんだぞ!!」
「一虎君が…場地君を?」
その瞬間武道の脳裏に浮かんだのは地面に倒れて動かない場地の姿。
見覚えのないその映像に武道は目を見開かせた。
「オマエも見てたろ?タケミっち」
「え?」
また見覚えのない映像が浮かぶ。
髪や体に赤い血を付けて、酷く冷めた目で血だらけの一虎を見下ろすマイキーが。