第4章 病魔 前編
臙脂色の立ち襟に、その両肩にはアギュレットの垂れ下がる肩章と
その左肩には白と臙脂色の
略綬風サッシュ(斜めがけされたタスキ)を付けている。
その胸元には金色のブレードに縁どられた白い装飾用ブレストパネルがほどこされ、
両の胸元を橋渡すように、
金色の軍装釦とフロッグ留め(釦の装飾の金色の日も)が縦に九つずつ並んでいる。
その袖は赤い傍章の入り、折り返した袖口は臙脂色で白い唐草文様模様と金モール刺繍と、
その縁には金色のブレードがほどこされている。
金色のバックルに彩られた白いベルトには黒鳶色のタガーホルスター(腰の短剣入れ)を装着し、
脚の線にぴったりと沿った黒い脚衣に赤い傍章と金色のブーツ釦、
金色のアウトソールを持つ黒いミリタリーブーツを履いていた。
怒り、恐れ、憎しみ………。
四方八方から注がれる視線に彼女は微笑んで見せた。
「「!」」
その表情に男達が気圧される。
と同時に、さざめくような囁きが一瞬にして止んだ。
「いこう」
そう言って、高らかに靴の音を響かせた。