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焦がれた恋情☩こころ☩に蜂蜜を【あくねこ長編】

第1章 はじまりの夜


『死になさい。命のために』

空から路を阻むように降り立ったのは、鈍いひかりを放つ見知らぬ少年。



陽に煌めく白梅色のショートヘアに白銀の棘の冠をかぶり、

顔の左に流した前髪、両のこめかみ、右サイドの髪に一本の鳥の羽根、

そしてつむじ付近に三本の羽根をヘアアクセサリーのように絡ませている。



華奢な首元に金色のバックルと胸元に下げた白いチェーンが印象的な首輪を締め、


純白のバルーンスリーブの上衣にはその肩にハーネスと胸元には十字架の飾り釦が縦にふたつ並び、


白のベルトに彩られた同色のショートパンツから伸びた脚にはふくらはぎにカフベルトを付けている。



その脚は裸足で、されども脛から足先にかけて鈍色の肌の色が徐々に色が濃くなり、

つま先は完全な黒曜に染まっている。



色も光も宿さない、オートマタのように冷たい瞳。



髪も瞳も服装も、その背に宿った翼でさえ、

「其れ」を構成する全てが見事なまでに白づくめなその少年は、

淀んだ眼でヴァリスを見据えた。



バサ、バサ、………バサッ。

造り物のような翼で羽ばたきながら、走るヴァリスの後をついてくる。



『ヴァリス様……!』

マリスの声にはっとする。

さながら機械仕掛けのように同じ言葉を何度も繰り返しながら、何処までも追ってきた。
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