第4章 繋がり
朝食を終えると、三人はそのままリビングを出た。
五条の家には、簡単な訓練ができるように広く取られた部屋がある。
床に座った香久夜の向かいに、五条が立つ。
その隣には恵。
「じゃ、昨日の復習からね」
「はい、」
「まず、自分の中にある呪力を感じる。無理に動かそうとしなくていい。呼吸に合わせて、ゆっくり、流れを見つけて。」
香久夜は目を閉じた。
静かに息を吸う。
吐く。
体の奥に意識を向ける。
自分の右手で、お箸を持つみたいに、垂れてきた髪を耳にかけるみたいに呪力を捕まえて。それが体を流れて左の指先から柳みたいに揺れて流れていく感覚を捕らえる。
「じゃあ今度は、その流れを優しく体の中に戻して循環させてみよう。」
…前回の、左手にきゅっと蓋をするのとは違く、あくまで川の流れを少し変えるような手ほどき。
「……」
五条の目が細くなる。
「うん。かなり上手くなってる」
香久夜は少し嬉しそうに笑った。
「…!流れるイメージだと、なんか、辛くないです」
「いいね、その感覚を無意識レベルでできるように練習しよう。それができるようになったら、ペンダントを外して、東京の街を散策すらできるよ」
「…!」
その笑顔を見て、五条も笑った。
けれど、次の瞬間には表情を戻した。
「じゃあ、次」