第15章 青の日々 (及川徹)
小さい頃、飼っていたハムスターが死んだ。
すごくすごく大切に育てていたのに。
今思えば寿命だったと割り切れるかもしれない。
だけど当時小さかった私には到底割り切れるような精神なんて備わってなくて酷く悲しかったのを覚えている。
大切にするほど
愛情を注ぐほど
時間を共にするほど
別れは辛いのだと知った。
だから私は狭く浅く。
"大切" を作らないようにしていた。
まだ生きていたいと縋ってしまう気がするから。
なのに私は及川も岩泉もきっと "大切" で、私からも手を伸ばせたらいいのになんて思ってる。離れるのが怖い。一緒に大人になりたい。もしかしたら2人はバレー選手になるかもしれない。息ぴったりの幼馴染だから。そしたら私の友達なんだよって自慢したい。
来ない未来を想うのは辛い。
「ちゃん?」
『…ぁ、ごめんなに?』
「今日なんだか上の空だなって…体調悪い?」
『ううん、ごめん。ちゃんとするね。』
気づけば3日目夕食の時間。
ぼけーっとして誰かに迷惑かけたんじゃ…。
『あ、及川…』
「なあにちゃん」
『私今日…その、迷惑かけなかった?』
「ううん?今日もスムーズに作業してくれて助かったよ!」
『そっか、ならいいの。ありがと。』
「大丈夫?今日の夜も行こうか?」
『あ、うん。お願い。』
「ふふ、喜んで!」
いつだって優しい及川に甘えてばかりだ。
彼の好意を利用してるみたいで申し訳ない。