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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第4章 掌中の珠 前編



今は真っ黒で何も表示されていないテレビは電源が落とされた状態だが、先刻までテレビ鑑賞をしていたという少年に問うと、何故それを観ていたのか謎な答えが返って来た。曰く自称歴史好き五千人を対象に、自分が一押しする戦国武将のアンケートを取ったものを、ランキング形式で紹介していくといったコンセプトの番組らしい。個人的には光秀や見知った武将達のランキングがどのくらいであったのか非常に気になるところだが、本人を前にして訊いて良いものなのか。

「やはり御館様はこちらの世でも一強といったところだったな」
「はい、さすがは信長様です。それ以外にも、見知った武将方の名が多く出て来て驚きました」
「とき、みっただすきなのに……」

凪の懸念が杞憂だと示すよう、光秀がおもむろに切り出す。どうやらランキングの堂々一位を飾ったのは我らが天下人、信長だったらしい。アンケートコメントでも絶賛の声が多くあった事が伝えられた。それ以外にも自分達がよく知る武将達の名が次々紹介されていたらしい。一応光秀や信長を始めとした武将達が、後世において歴史に名を残す人物だという認識のある光臣は、尊敬の意を込めて面持ちを綻ばせる。そんな中、一人むっすりとした表情で零した光鴇が、不服そうに唇を尖らせた。

「もしかして光忠さん、入ってなかったの?」
「なかった。きよひではあったのに、ずるい」
「亡霊さん、ランキング入ってたんだ……」

自分のお気に入りの家臣(だと光鴇は思っている)である光忠がランキング入りしていなかった事に、幼子が文句を零す。何故か中川清秀がランキング入りしているという自体へ更に不服を募らせた光鴇が、手を伸ばして林檎ジュースをごくりと飲んだ。

「こちらの世にも酔狂な者は居るという事だな」
「まったくです。もっとも、あの人は他人の好意そのものに興味ないでしょうけど」
「同感だ」

(光秀さんも臣くんも亡霊さんには相変わらず辛辣だ……)

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