第6章 体育祭、それぞれの想い
猫柳さんは騎馬を渡り歩きながら多くのハチマキを回収してきた。
《 2 》
「猫柳さん!掴まれ…ッ!!」
猫柳さんは生徒達に掴まえられそうになるものの、スルリと見事に身を飜えす。猫柳さんと合流するために俺は個性の“再現”で巨大なタコ足を創り彼女に向かって振りかざした。
「乗って!走って!!」
「わかった!」
猫柳さんはタコ足に乗り、俺に向かって走り出す。もう少し、あと少しで…!!
間に合わな…ッ
「―――――猫柳さんッ!!!」
《 1 》
「天喰くん
キャッチして!!」
POOOM!!!
猫柳さんがそう言い終わらぬうちに、ポンッと何か柔らかいものが弾けたような音がした。そして猫の姿の猫柳さんは俺に向かって盛大なジャンプをしたかと思えば、彼女は空中で個性を解除し、本来の姿、人の姿に戻り――――
「え?…うぉ?!!」
猫柳さんは両腕を広げ俺に思いっきり抱きつく―――正しくは、彼女は両腕を広げたまま勢い良く真っ直ぐに直撃してきた。
俺はフリーズした。
この一瞬の出来事は、コマ送りでゆっくり時が流れているように感じた。時が止まるって、こうゆうことを言うんだな。
そんな事を考えながらも「猫柳さんを落としてはいけない、落とさぬものか」と必死でキャッチ…ではなく、抱きとめた。
《―――ゼロォォオッ!!
THYME UP!!!!》
「ちょっ…猫柳さんっ!」
「よ、よかった、間に合って…!」
制限時間切れる前に合流しなきゃと思って!1秒でも早く合流したくて!個性解いて正解だった!と、息を切らせながら早口でまくし立てる猫柳さんに「君の行動で俺のノミの心臓は、色々な意味で止まりかけたよ」と、伝えることはできなかった。
「天喰くん!やったよ!!」
「え?」
「得点ボード!見て!!」
「!嘘だろ…」
猫柳さんは俺の首に腕を回し「天喰くんっ!やったあ!やったよ…!!」と声を震わせた。
《上位4チームが決勝戦へ選出だぁぁー!
1位 通形チーム!
2位 波動チーム!
3位 甲矢チーム!
4位、猫柳チーム!》