第56章 ホグズミード村
「ジニー」
「本当よ?私、あなたのことお姉さんみたいって思ってるもん」
「姉らしいことなんてしたことなんかない」
「いつも私を気遣ってくれてるわ。それに去年の教科書も譲ってくれたじゃない。私お姉さんがほしかったの、だめ?」
ジニーがわざとらしく首を傾げてミラに尋ねた。
「…とても見本にできるような姉じゃないと思うけど」
ミラの頭の中にはハーマイオニーが一番最初に思い浮かんだ。頭が硬いところはあるが、このホグワーツで彼女は優等生だ。とてもじゃないが品性素行がちゃんとしているとは思えない自分を、姉にしたいだなんて、とミラは困ったようにジニーを見た。
「命をかけて私を助けに来てくれたわ。これ以上素敵な理由がいる?」
「----勝手にすれば。でも、責任は取れないよ?」
ああ、嬉しいくせに口は素直な言葉を出してくれない。
「うん、勝手にする」
でもそんなことはジニーにわかっていたのか、それとも自分を理解してなのか、ジニーは嬉しそうにミラにピットリとくっついた。
「まったく…」
その言葉には、なんの嫌味も刺々しさもなかったことに、ミラは気付かないフリをした。