第17章 殺したくてたまらないという顔
「……わたしにこの作戦を話したら反対すると思って濁したんですね?」
アリアの言葉にエルヴィンは言い訳せず頷いた。
アリアは厳しい顔つきのまま眉間を押さえ、しばらく黙る。
エルヴィンの考えは正しい。
たとえそれが最善の策だったとしても、アリアにはエレンが傷つけられることを黙って許容できない。なにがなんでも反対しただろう。
「アリア、俺、ちゃんとわかってるから」
ハラハラとした表情でアリアとエルヴィンの顔を見比べていたエレンがちいさな声で言った。
顔を向けると、エレンは意思のこもった瞳をしていた。
「この怪我が必要だったことも、ちゃんとわかってる。それにそのおかげで調査兵団預かりになることができたんだ」
未だリヴァイに怯えてはいるが、その言葉に嘘はないのだろう。
アリアは何度目かわからないため息を深く吐き出し、それからかすかに頷いた。
「エレンがそう言うのなら、わたしはこれ以上なにも言いません」
「ありがとう。感謝するよ、アリア」
「それで……エレンはどの班に?」
空気を切り替えるようにアリアは言った。
「俺たちの班。特別作戦班だ」
答えたのはリヴァイだ。
アリアはぱちりと瞬きをして、リヴァイを見る。
俺たちの班? 特別作戦班??
「それじゃあ……!」
パッとアリアは表情を明るくさせた。
「アリアといっしょだ」
嬉しそうにエレンは笑って頷いた。
思わずエレンを抱きしめる。一瞬、抗うように彼の体が動いたがやがてそっと力を抜いた。
「よかった……本当に、よかった。うれしいよ、エレン。あなたと同じ班だなんて」
少なくともこれでエレンが孤独になることはない。
班のメンバーも良い人ばかりだ。
エレンの行く先だけを案じていたアリアは心底安堵した。