• テキストサイズ

◉拗らせろ初恋◉【ヒロアカ】

第8章 いい写真だろ



「薬師先生っ!相澤先生のどこに惹かれたの!?」
「いつから付き合ってたの!?」
「なんて呼び合ってるの!?」

窓からオレンジ色の夕陽が差し込む放課後、当然の如く女子生徒たちが雪崩れ込んだ保健室で私は驚きに目を見開いた


「だ、誰に聞いたの、?」

「ケロ、もちろん相澤先生よ」

「結婚相手は俺だ、とか言っちゃって!きゃー!」

「写真まで見ちゃったよねぇー!」

昼間の食堂でもなぜだか視線に晒されている気はしていたけれど、それは私が着任したばかりで珍しいからだと思っていた

気づけば部屋中の丸椅子を集めた彼女たちが私をぐるりと囲んで
あまりの圧と好奇心を隠さない澄んだ瞳に思わず苦笑が漏れる


「先生お願い!相澤先生が会議のうちに!」

「昼休み全員で筋トレ頑張ったんだよぉ!」

「どうしたんだろう、生徒には言わないって言ってたのに・・」




そんな呟きも掻き消されたその時、大きな音を立てて保健室の扉が開くといつも以上のハイテンションで滑り込んだ山田くんがあっという間に皆の注目を集めた



「HEYHEY女子リスナー!沢山のお便りセンキュー!」

「山田くんここ保健室ね・・!」

「このプレゼントマイクが君らの質問にィ!お答えしよう!」

私の苦言を掻き消す女子たちの声援、あまりの盛り上がりにまた苦笑が漏れる
この子たちを窘めるために駆けつけてくれたのかと一瞬思ったけれど、どうやら真逆みたいだ



—— 恋に落ちたのは学生時代ィ!

その後十年離れたが運命の再会&イレイザーの猛烈アタックでフォーリンラヴ!
交際期間はなんと半日、前代未聞のスピーディー入籍だァ!
イレイザーの奴、捕まえておきたくてよっぽど余裕がねェんだな!HAHAHA!


「分かったかリスナー諸君!」

「「「YEAHHH!!」」」

見事に纏められた演説とコール&レスポンスが爆音で廊下を突き抜ける


「さっき食堂でもやってたぜ」

「ああ、見た見た」

「イレ先にびびらないプレマ、何気に一番怖くね?」

扉の前を通りかかった二年生の話し声が聞こえて、私はちらりと山田くんを見遣る
相変わらず楽しそうに盛り上がる後ろ姿を見て、どうか相澤くんの耳に入りませんように、と無駄を承知で彼の無事を祈った



「あいつ、絶対殺す・・!」
/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp