第37章 オレの『帰る場所』
「オレ…そんなにアイツのこと、大事にしてたの?すげえ特別な存在だった?」
「そりゃあ、お前の人生を変えてくれた女だからな」
「オレの人生…?」
「アイツに出会ってからのお前、前よりすげー幸せそうに笑うようになったんだ。カノがいるだけで毎日が楽しいって思うほどアイツのことが大好きだったし、アイツは…カノは…お前の"最後の心の拠り所"になってくれた女でもある」
「最後の…?」
「アイツがいなくなったらお前は壊れる」
「!!」
「壊れて生きられなくなる。自暴自棄になって、誤った道を進み続けて、抜け殻みたいになっちまう。それほどまでにカノの存在はお前の中でデカくなり過ぎてんだ」
「……………」
マイキーは床頭台に歩み寄り、引き出しを開け、何かを取り出す。それはシルバーのパズル型のネックレスだった。
「何でか捨てられなかったんだよな…コレ捨てちまったら、アイツとの繋がりが途絶える気がして…別にとっとと捨てればいいのにさ。捨てられなかったんだ…」
「そのネックレスな、アイツにお礼がしたいから人気のアクセサリーショップ教えろって俺に言ってきたんだぜ、お前」
「そうなの?」
「まさかお揃いで身に付けるとはあの時は思いもしなかったけどな」
そう言ってドラケンは笑う。
「だからマイキー。本当に後悔する前にアイツの手を繋ぎ直せ。ちゃんとアイツを見ろ。好きなら、愛してんなら、その幸せを自分から壊そうとすんな」
「ケンチン…でもオレ…アイツにはもう…」
「あの子くらいよ。万次郎の我儘に付き合ってくれる子は。もう一度、彼女と話し合った方がいい。例え別れを告げられても、ちゃんと話せばあの子だってきっとまた笑ってくれるわ」
「海凪…」
ガラッ!!
「佐野さんごめんなさい!さっき携帯と一緒に渡せばいいのに私ったらついうっかり忘れちゃって…って、どうかしたの?」
慌てたようにドアを開けた看護師が重苦しい空気を察し、三人を見る。
「看護師さん、オレに何か用?」
「あ!そうなの!携帯を届けてくれた人がね、"コレ"も一緒に渡してくれって頼まれてたのよ!」
看護師は手に持っていた高級そうな紙袋をマイキーに渡す。
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