第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
「そんなことないと思う…お金欲しさに殺す人間、この中にいると思えない。…恋愛絡みならありえるかも?」
「「それはない…!!!」」
ミドリの発言にカナザワとアオキが同時に言葉を重ねた。
「…ゴホン。けっこう意見がバラバラみたいだな。…けどみんな、特定の人物を疑ってるわけではないということだよな?」
アオキのその問いかけに、カナザワ、ミドリ、スミレが頷いた。
「私も全然わからないわ…。ただただ、シラユキの死が悔やまれるだけよ」
私は顔に悲しみを浮かべ、下を俯いて笑った。これで私の勝ちよ。逃げ切ってやったわ…!
「本当にそうか?」
沈黙を破ったのは、アカイだった。
「お前ら全員、クロサキを疑ってたよな…?」
「(は?アカイ?わざわざ掘り返すなんて一体どういうつもり…?)」
するとアカイが私に近づいて来た。
「…会議の度に顔を真っ青にして意見を変えていくお前達にずっと違和感を感じてた」
「…意見は変わって当然じゃない、会議なんだから」
「…アカイはみんなと意見が違うって言いたいのか?」
「……あぁ」
そこで着信音が鳴った。
「おっと、また警察からだ。…みんなまた、会議でな」
アオキの一言で解散し、リビングにはアカイが残った。
「…クロサキ、俺に何か言うことがあるんじゃないか?」
「…何もないわよ」
「そうか。…残念だ。俺はお前を、シラユキの殺人犯として告発する」
「なっ……!?」
旅行に来て一番の驚きだった。
「なに言い出すのよアカイ…!?」
「俺が意見を変えたのは、コイツを見つけてしまったからだ」
アカイは私にスマホを突きつけた。シラユキのスマホだ。メッセージ送信欄に、打ちかけの文字、“クロサキ”が残されていた。
「(…まさか…ダイイングメッセージ…!…最悪!…シラユキ、あの女…!)」
「…俺は今日の会議でこれを見せて、そのまま警察に渡す」
「…本気なの?」
「…お前はすごく良い奴だよ。外見の割に中身が優しいってことを俺は知ってる。…こんなもん拾うんじゃなかったって思う」
「……………」
「…どうして、殺したんだよ…」
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