第45章 complexion ■
その後、漬けいくらの可愛らしい1品料理や、焼きアワビなどといった旬のものを使った小鉢や汁物、鮮度の良い旬の寿司がタイミングよく運ばれてきて、そのどれもが目を見張るほどの美味しさで目を輝かせる。
しかも、それは順番にもこだわりがあるようで、クエや炙り金目鯛といった淡白な白身からスタートし、アジやコハダなどの光り物、次に玉子やしめ鯖などといったものを口直しに挟み、車海老、漬けマグロといった赤いものへ移行。
その後ホタテ、ウニ、穴子といったとろみのある甘めで濃厚なものへ続き、大トロやトロ漬け炙り、最後に軍艦巻きで締められた。
色でいえば、白→青→黄→赤→白→黒と言った感じで、まさに視覚的色彩も味のバランスも完璧。
味でいえば、淡白で味の薄目のものから濃いものへ移行し後半は満腹感の出るもの、そして最後に巻物で締めるというまさに文句無しに純然たるコースだ。
寿司ネタに対して、飾り切込みの包丁の入れ方が凄まじく繊細でそのテクニックには目を見張った。
その職人技のせいか、風味や見栄えが格段に上がっている。
しかも、ただの醤油ではないいわゆる煮切りタレと、本物のすりわさびや薬味までもベストマッチすぎてレイは何度おいしいを連呼したかわからない。