第15章 真夜中の開幕劇
「見えたぞ!」
キバナの声で、アーマーガアタクシーの中にいるネズとエメットは反応して、電光の光が見える方を向いた。
「おい、ダンデ。起きれるか?」
ダンデの体を、キバナは体に響かないよう、優しく揺すった。
「……ん…」
「…駄目だ、起きそうにないぜ」
「仕方ねぇですが、俺たちでなんとかするしかないですね」
「なんとかなればいいけどネェ」
そこに水を差すようにエメットが会話に飛び込んできた。
「君達、インゴのことナメてるデショ?あれでもサブウェイボスを務めてる男ダヨ、そこらへんのジムリーダーに負ける程、弱いトレーナーじゃないヨ」
「なんだよ、今頃兄貴の心配か?」
「心配?ボクがインゴの?」
エメットは可笑しそうに笑い出した。
「むしろ君たちの心配ダヨ!まぁ二人でインゴを押さえ込めばいけるかもしれないだろうケド?ボク、結構感は良い方なんだヨ----きっとちゃんはインゴといル----君たちが絶望しないか、ボクは心配してあげてるんダヨ?」
「だったらなんだよ、それなら勝って取り戻すだけだぜ」
エメットは驚いて大きく目だけを開いた。面白半分に問いかけたはずが、キバナはなんの躊躇もなく言って退けたことが、信じられなかった。しかし、キバナの目は本気だと思わせる、力強さがあり、エメットは真顔になった。
「…ドウシテ?」
「ん?」
「どうしてそこまでちゃんのことを気にかけるワケ?出会って日も長くないのニ……もしかして、君もちゃんのことが好キ?」
ピリピリした空気が漂い、エメットの横に座っているネズは少し気まずそうに、しかし斜め向かいに座っているキバナから目を離すことができなかった。キバナははぁ、と大きなため息を吐いて、呆れた目でエメットに返した。
「…ハッ、そう思うならそう思ってて貰ってて構わないぜ?確かに出会って日は浅せぇけどな、一度バトルを交えたらそいつがどんなトレーナーかどうか分かっちまうんだよ----アイツは…」
キバナの脳裏に、とも思い出が蘇った。