第12章 Hi!
ー穂波sideー
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「穂波〜、おれもう寝る」
『あ、カズくん、わたしも寝るよ、一緒に部屋行こ』
「え?」
『え?あれ? 一緒に寝ようって言ってなかったっけ』
「うん、言ったけど… 電話して許可とったのほんとに」
『うん?』
「電話したら結局研磨はいいよって言って、穂波はやめとくってなるんじゃないかなって思ってた」
『…うん?』
「まぁいいや、それなら一緒に寝る」
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カズくんは弟じゃないけど、やっぱりどうしても、
弟がいたらこんな感じかな、とか考える。
かなり懐いてくれてる弟がいたら。
ベッドに2人寝転がってわたしはカズくんの腰に腕を回してぎゅうと抱きつく。
前よりずっと男っぽくなってきたというか… 12歳、どんどん変わっていく時って感じする。
『ねぇ、カズくん』
「なに」
『お布団入った途端塩なのはなぁに』
背中向けてもう寝る、と言わんばかりに無反応。
「バカじゃないの」
『バッ… 今日何回目だろう…』
「おれ、手を出そうと思えばできるんだよ、わかってる?」
『…わかってるよ、研磨くんに何度も釘刺されてる』
「………」
『カズくんは男だよ、って。 わかってる、しかもね、わたしカズくんのこと大好きだし。
手を出されて、拒めるかすらわかんない』
「………」
『でもいーの。 ぎゅーってしたいの、だって絶対そのうちカズくんは一緒に寝てくれなくなるから』
「………」
『カズくんが寝よ、って言ってくれてるうちは一緒に寝たいの。
だって本当、すごいスピードで大人びていくんだもん、ついていけない。
たまにはこうして、ホールドして時間を止めてるような気になりたい』
「こんな風にしてるの母さんが見たら…」
『はっ!!!』
自分のことばっか考えてた。
カズくんのお母さんのこと思うといきなり悪いことしてる気持ち。
裏切り、みたいな。
「ヤキモチ妬きそう。それからすごい喜ぶ」
『…はい?』
咄嗟に腕の力を緩めたわたしを制するように手を添えて、カズくんはそう言った。