第12章 Hi!
ー研磨sideー
白布クンには宮城で会った。
その時、ウシワカの話してたな、とか思い出す。
初めて会ったけど、写真も見てたし小さい頃の話も聞いてたし。
…なんか。
賢いやつのなのはわかるけど、月島とは全然違う。
見た目とか話し方のひねくれた感じとは裏腹に、
あんまひねくれた感じがしない。
意外とこじれてない、というか。
……いいやつかも。はじめましてが、苦じゃないて思った。
…でもなんかそれはおれが慣れてきただけ?
いろんな個性の強い人たちに。
いやでもそれは今に始まったことじゃないし、
苦手な場合の方が多い気がする。
やっぱ、穂波っていうクッションがあるのは大きいのかも。
大学では相変わらず、トモダチって呼べる人は片手の指で足りるくらいだし…
──「…穂波は何してんの」
「あ、白布クンもご飯食べてないよね?」
「あぁ、なんか食おうとは言われてる」
「その準備かな」
前日は、車中泊じゃなくて布団で寝た。
食事とかもご馳走になったからなまものは使い切ってて。
でも泊まった先でいろいろもらって、
それからここ来る前に産直とかで買ったりしてまた食材に溢れてて。
穂波はリアハッチを開けて、鼻歌まじりにいろいろ準備し始めてる。
「…そっか、穂波のメシ食えるんだ。 タープとかねーの?」
白布くんは穂波の方に歩いて行って、タープの用意し始めた。
おれもちょっと手伝って、それからあつらえられた日陰に座って休む。
日陰っていっても、8月の日中。
宮城とはいえ、普通に暑くて。
「あつ… 海入りた… え、」
「え?」
「いやなんでもない」
海入りたいとか思ってる自分に驚いた。
しかも口走ってたし。
「海? 研磨くん好きなんだね、ちょっと意外」
「いや…」
「…あー、まぁそうだよな、こいつの影響」
「ん…」
「穂波って、なんかそういうとこあるよな」
「…?」
「圧は弱いのに、浸透圧はすごいみたいな」
「…浸透圧」
「…よくわかんねーけど」
「…ん、でも浸透圧って」