第10章 ゴミ捨て場の決戦!
俺が放ったサーブ
サームラは当然のようにあげてくる
影山のトスから旭くんのスパイク
"ちゃんと止まって上に跳べ"
"ブロックの面積広げろ"
"リードブロックは最後に咲うブロックだ".
繰り返し口喧しく言ってきたこと
リエーフがしっかりそれを実行してブロックに跳ぶ
リエーフが絞ってくれたコースでレシーブを返す
「ハッハァー!」
これだよこれ
チームワークがハマる瞬間
これだからやめらんない
それに…
自分のプレーがうまくいく以上に
自分が育ててきたヤツらが成長して、そいつらのプレーがうまくいくってのは
なんつーか…痺れる
そーいや前に歩ちゃんに言われたっけか
『黒尾さん自身が活躍するより、育てたツッキーが活躍する方が素晴らしいと思いません?師匠冥利につきるじゃないですか』
『やーだね!俺はツッキーより俺が活躍したい!』
『またそんなこと言うて!もし、黒尾さんが育てた弟子の誰かが世界を代表するようなプレーヤーになって、僕の師匠は黒尾さんです!って言うたらめっちゃカッコイイと思いません?』
君はツッキーのことを俺に託した時から
こうなることを分かってたとでも言うの?
「全部、掌の上かよ…」
癪に触るから認めてあげないけど
俺は結構こうやって後輩に世話焼いて、そんでそいつらが成長すんの見てるのが好きなんだろうな
結局彼女の思惑通りってわけか…
『オッフォワァァァ!』
『うぉああああ!!』
両校ベンチも盛りあがる
研磨がリエーフを囮にして俺にあげたトス
バックアタックはツッキーに触られる
「ワンチ!」
ツッキーが助走距離を確保する
リエーフがブロックに入ってんのに
…真ん中、ガチンコ高さ勝負
ツッキーのスパイク
ブロックを抜けて音駒コートに突き刺さる
あんな見たこともない程いい顔しちゃってさ
最近のバレーはどうだい?
答えなんか聞くまでもない
その笑顔が語っている
俺が教えたことは何ら間違ってなかったと
出会った頃の卑屈で自信のないツッキーはどこにもいない
プレーヤーとしてだけでなく男として一回り成長したお前を誇らしく思うと同時に
歩ちゃんが惚れるのも無理ないよなって嫉ましく思った