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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃/猗窩座・狛治】

第8章 魂の雪蛍



各々が団扇やセンスで、僅かな涼をとりながら、

海に石投げしたり、他愛無い話をする。

何故だろう。この感じは.....。

懐かしい。

心が暖かい。

人間の記憶は脳内になくとも、
体で覚えているのだろう。


たぶん、こんなに暖かい気持ちになるのは
初めてじゃない。

耳の奥の方で、心を揺さぶる声がする。

思い出してほしいと言わんばかりに.....。


右手に繋いで離さない桜華の手。

暑苦しいのに離したくないこの感じ

おそらくこれが初めてじゃないような気がする。


それでも、こんなに幸福感を感じると少し怖い。

”また”壊れてしまうのではないか.....。

”また”失ってしまうのではなかろうか.....。

でも、たぶん桜華はその地を這うような不安を
払拭してくれるくらい強いし感もいい。

俺が見つけて、育てて、育ててもらって、一緒に困難を乗り越えて...

そして、見守ってくれる人もいれば手助けしてくれる人だっていっぱいいる。

「桜華様、波打ち際まで行きましょう?」

「へ?」

一瞬の事で、明子さんにつないだ手を引き離されて、イタズラそうに舌を出してアカンベェして駆け出した。

「元気な妹共だ。桜華様も楽しそうです。」

悟さんが横に腰かけた。

俺と話したい事があったかのようなタイミングで声をかけてきた。

「もう、昼間、こんな熱い日差しの下なら桜華様の傘がなくても安全なんじゃないですか?」

「いや、用心に越したことはない。俺たちだけならともかく、悟さんや巧一さんたち、この町の安寧が崩れては.....。」

「なら、桜華様が少し近くにいたら安心ですか?
もう、太陽の痣があるのなら概ね問題ないと思います。

代表がお守りくださいますよ。」

「なぜそこまで.....。」


すると悟さんは少し海の方にいる桜華たちを見やって俺の耳に手を当てた。

「人間にお戻りになったら、日神楽の姓をお名乗りになるのでしょ?」

「...?」

「男としての準備でございますよ。」

と、何か企んでそうなニヤついた表情になっていた。

「母・朱音と、街で落ち合う約束です。きっと桜華様喜びますよ。」



頭が疑問符で溢れるが、悪い気はせず、応じることにした。

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