• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第44章 決戦のアッチェーソ【呪術廻戦0】



「【天雲に 近く光りて 鳴る神の 見れば畏し 見ねば悲しも】」


 轟音を鳴らし、バチバチッと爆ぜた稲妻が呪霊を切り裂いた。だが、見たところ【大蛇】の攻撃も、詞織の攻撃も届いていない。

 格が違いすぎる。逃げないと、庇っている術師たちを含めて全滅だ。

 詞織は頑固だ。こうなったら梃子でも動かない。かといって、詞織を残して自分が救援を呼びに行くなど論外だ。


 ――詞織と一緒に死ねるなら、それはそれでアリだ。


 そこまで考えて、伏黒は頭を振った。

 違う。詞織を死なせるなんてナシだ。星也や星良に申し訳が立たないし、目を覚ました津美紀を泣かせることになる。


 ――くそっ! どうしたら……。


『……――助けてあげましょうか?』

 顔を上げると、詞織の瞳が血を固めたような紅く染まっていた。

「オマエ……神ノ原、詩音……」

『あら。気安く呼ばないでくれるかしら、伏黒 恵』

 けれど、すぐに詩音は何かに操られるように顔を背ける。

「勝手に出てこないで」

『ふふ、つれない。でも、このままじゃ全員 死ぬわ。あの薄汚い呪霊に殺されてね』

 そこへ、呪霊の大きな手のひらが再び迫った。思わず詞織を抱きしめ、呪霊に背を向けて彼女を庇う。


『――【オン・アロリキャ・ソワカ】』


 パンッと手のひらが弾かれ、呪霊が大きく仰け反った。泉に一滴の血を垂らしたように、詞織の夜色の瞳が濁る。
/ 1072ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp