• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第42章 鮮明なリバーブ【呪術廻戦0】


「……津美紀……」

 眠る彼女の前髪を払う。今にも目を開きそうなのに、彼女は目覚めない。

「どうしたんだい、星也。相手が星良ならまだしも……オマエにしては珍しく冷静さを欠いているね」

 五条の言う通りだ。相手が星良でない限り、もっと冷静に対応しているだろう。

 津美紀でも、詞織でも、伏黒でも。

 焦りが何も生み出さないことはよく分かっている。

「分かってる……分かっています……」

「もしかして、津美紀に告白でもされた?」

 拳を額に当てて俯く星也の肩に五条が触れた。

「どうして、それを……」

「津美紀の気持ちは見てたら分かるよ。オマエも知ってただろ?」

 分かっていた。分かっていたから、できるだけ思わせぶりな態度は避けた。きっと、憧れと恋愛感情を穿き違えているだけ。

 自分では津美紀を幸せにはできない。

 彼女には、幸せになってほしい。

 だって、彼女もまた星也にとって家族だから。

「……五条先生……前に言いましたよね。『愛ほど歪んだ【呪い】はない』って……」

「津美紀の愛に呪われたって?」

「違います」

 津美紀は誰かを呪うより、大切な人のことを考えていたいと言うような、心優しい子だ。

「呪ったのは僕の方ですよ。勝手に津美紀の言葉を【呪い】にして……」

 自分で自分を呪ってしまったんだ……。

* * *

/ 1072ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp