第42章 鮮明なリバーブ【呪術廻戦0】
連絡を受けて家に帰ると――……津美紀が呪われていた。
電波の届かない山奥での任務。村自体が呪霊の生得領域に巻き込まれていたこともあり、思ったより手こずってしまった。
体感としては半日だったが、現実では六日も経っていた。
生得領域で動けなかったこと、それから津美紀のこともあり、この後 行くはずだった任務は五条が引き受けてくれて、星也は病院へ急ぐ。
案内された病院で伏黒は立ち尽くしており、星良は努めて冷静さを装っていたが、声や肩が震えているのが分かった。
「星也さん……」
「兄さま! お願い、津美紀を助けて! 兄さまならできるでしょ? そうだよね⁉」
お願いだから……そう泣きじゃくって縋る妹に頷くも、動揺から上手く返事ができなくて……。
周りの音が遠くに聞こえる。
――「……星也さんのことが好きです」
耳の奥で最後に話した津美紀の姿が過ぎった。
――「あの、返事は帰って来てからでいいんで……でも、その様子だとダメみたいですね」
眉を下げながらも困ったように笑う彼女に、星也は何も言えずに俯く。
――「それでも、返事は聞かせてください。待ってますから……」
いってらっしゃい、と見送ってくれる津美紀に笑顔を返すことはできなかった。
「……どうして……」
すぐに解呪を試すも津美紀が目を覚ますことはなく。
それでも ひたすら、思いつく限りの手を尽くした……。
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