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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第17章 開幕のファンファーレ【反省】


「重めの任務をいくつかこなしてもらおうって振ったけどさぁ……『重め』ってそういう意味じゃなかったんだけどなぁ」

 まさか、これほどの事態に直面するとは誰も思わなかったかことだろう。

 星也自身、裏であれほど強大な力を持った特級呪霊が控えているなど考えもしなかった。

「例の特級呪霊、逃がしちゃったんだっけ? 珍しいね、オマエが祓いきれないなんて」

「すみません。【騰蛇】や【勾陣】にも命じましたが、追いきれなかったみたいで。占もしたんですが、どういうわけか、完全に撒かれました」

 この二体は恐怖や戦闘を司り、戦いに特化した式神だ。単独で特級呪霊と渡り合える実力を持つ。
 その分、細かく考えるのは不得手。特に【騰蛇】は視野がやや狭い。

 近場にいた【玄武】と【天后】に加え、確実に祓えるように彼らも追跡に加えたのだが……相手の方が一枚上手(うわて)だったようだ。

索敵特化の式神を使ったり行き先を占じたりもしたが、どういうわけか追跡できなくなった。

 式神の失態は己の力不足。
 あの呪霊は祓っておかなければどんどん彼の実験の被害者が増えることだろう。本当に申し訳ない。

 だが、虎杖の攻撃は効いても、星也の攻撃は真人に効かない。式神も同じだろう。原型を留めないほどに叩いて……という手がどこまで通じたか。

 おそらく、真人を祓える術師は限られている。

 虎杖の攻撃は通したが、自分の攻撃は通らなかった。このカラクリを見抜けない限り、どれだけ手数を持っていようが、自分には真人は祓えない。

「ま、いいや。順平の家にあった指について二人に――……」

「言ってませんよ。悠仁に不要な責任を感じさせたくありませんし。吉野くんにも、呪物であるということしか伝えていません」

 いずれ知ることになるかもしれないが、一度に多くのことを伝えては混乱するだけだろう。

 母の死と、慕っていた者に殺されかけた事実。
 それだけで絶望を感じるには充分すぎる。

「オマエに任せてよかったよ。で、指は?」

「提出済みです。先生に渡したら、悠仁に食べさせるでしょう?」

 チッと舌打ちする五条を見るに、図星のようだ。
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