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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第56章 伸ばした手に掴むデテルミナート【渋谷事変】



 ――23:14
   松濤文化村ストリート(【帳】外)


 順平は釘崎と医療班の治療を受けていた。肩の傷はまだ痛むが、動かせないほどではない。

 だが、新田の傷は深いようで、この場での治療は難しいとのことだった。順平と釘崎は医療スタッフに新田を任せ、【帳】へと戻るべく立ち上がる。

 今 初めて聞いたが、この渋谷には【反転術式】を使える星良と家入が来ているらしい。家入は拠点としている首都高速三号で、【帳】内外を駆け回る星良と一緒に怪我人の治療を請け負っているそうだ。

「ダメっすよ、釘崎さん! 吉野くん! 七海さんも言ってたでしょ!」

 現在の渋谷の状況は、一級術師で最低ライン。一級推薦を受けている釘崎ならまだしも、三級になったばかりの自分など、彼の言う通り『足手まとい』。

 それに、星良や家入のことを黙っていたのは、自分たちがこうして無茶をしないようにするためだろう。

 でも――……。

「虎杖くんも、伏黒くんも、詞織ちゃんも……皆が戦ってるんだ」

「そういうこと。あたしたちだけ帰るなんて、そんなことできるわけないでしょ」

「釘崎さん! 吉野くん!」

 新田の制止の声も聞かず、順平は再び【帳】の中へと入り、五条のいる渋谷駅の地下五階を目指した。しかし、二人は不意に足を止める。

『さっきの見た? ヤバくない? 俺、さっきまであの辺ウロついてたんだよね』

 道玄坂小路に差しかかった頃、聞き覚えのある声に順平は息を詰めた。
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