第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
大きく半円状に張り出したバルコニー。
開け放った窓からは
明るい陽射しと心地よい風が
俺らの髪を揺らした。
爽やかな、しかも朝食前のこんな時間に
なんて似つかわしくない行為なのか…。
だからと言って、
こんな中途半端にやめる気なんてない。
…と、いうよりも、ここまでの生殺し、
俺には耐えられねぇ…
「ほら、来いよ。腕…」
さっきまでのように
頭、若しくは首に回させようとするが
手首を掴んだ途端に
きゅっと力を入れられる。
……
嫌がっているワケじゃねぇ事はわかっていた。
ちょっと戸惑っているだけだって。
なのに、この熱を収めたくて
ただ気が焦ったんだ…
急いては事を仕損じる…
先人の言葉は、重んじるモンだ…。
「この責任、取らねぇつもりか?
なら雛鶴にでも頼もうか…」
ほんの冗談。
ほんの軽口。
ほんの思いつき。
さっきの話の流れ。
言葉の綾、…
つい口にしてから
こりゃシャレにならねぇと気がついた。
気がついた所で、もう遅い。
カッと見開かれた両目。
大粒の涙を零し、
唇を思い切り噛み締めた睦が
ドンと俺の胸を突き離した。
その勢いで、ソファの背もたれに深く寄り掛かる。
「悪ィ!今のは失言だ、本気じゃねぇよ!」
プイッと上体ごと背けた睦の肩を掴み
こちらを向けるが、顔は見事に明後日の方向…
あーあ、
ヤキモチだなんだと、
その話をしたばかりだってのに…。
「睦悪かったって!」
一向にこちらを見ない睦に
顔を寄せるが
更にそれを背け、
「いってらっしゃい!」
涙に声を震わせた。
「行かねぇよ!
睦でなきゃダメな事くらい
わかってんだろ?」
「知らないよ!」
「知っとけよ!
あんなん言葉の綾だってわかってんだろ。
本気で思ってるわけねぇ!」
「わかるわけない!
だいたい思ってもないんなら
あんな言葉が口から出たりしない!」
「違うって!お前をその気にしたくて…」
「ならない!雛鶴さんとこ行け!」
あぁ…本気で怒らせた…
確かに口を滑らせた俺が悪かった。
それにしてもだ。
「お前だって同じじゃねぇか。
んな心にもねぇこと言っていいのか?」
くるっと勢いをつけて
睦がこちらを振り返った。
大粒の涙が、俺の胸を締めつける。