第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
少し前から気がついてはいた。
こいつは、先の3人に遠慮をしている。
それもあからさまにだ。
後から来た自分が、と、
そう思っているに違いなかった。
んー…どう言えばいいか、
上手い言葉が見つからず
ここまで来てしまった俺にも責任はある。
だがこればっかりは、
俺の力をもってしても
どうにもできないものなのだ。
上手いこと察してもらいてぇモンだが
しっかりしていそうで
どこか抜けている睦には
期待できそうもなかった…。
もどかしい気持ちになるが、
真実を話すことは、
あの3人の首を刎ねる事と同じなのだ。
俺からは、どうにもしてやれねぇ。
ただ…
「俺のお前への愛を疑われんのは我慢できねぇ」
はっきりと、強めに言う俺をチラッと見上げ
「…それは、疑ってはない」
睦もしっかりと言い切った。
「そうか…なら、問題はねぇって事でいいな?」
睦はうんと頷いたが、
その表情は、およそ問題のねぇモノじゃなかった。
そりゃそうだろう。
現状打破は難しく、
こいつを慰めてやれる事と言えば
足繁く通ってやる事と、
こうやって強く抱きしめてやる事。
無力な俺を許せよ睦。
いつのまに眠っていたんだろう。
程よい疲れと、
安心のできる強い腕に包まれて、
…いつ寝たのかなんて
自分でもわからないくらい。
はっと気付くと、
裸だったはずの私は
新しい、薄紫のサマードレスを纏っていて、
細やかな心遣いにそっと感謝した。
ふと見やった先には、
彼の裸の肩越しに
夕闇せまる紫色の空。
一番星すら煌めいている。
訊きもしなかったけれど、
この人は…今日お休みだったのかしら。
その休みを丸々
私と一緒に過ごしてくれたという事かしら…
パッと目を戻すと、
穏やかに眠る彼の寝顔。
ちっとも起きる気配がない。
…疲れてるのかな。
寝かせてあげるのが筋かもしれない。
でも……
私は、手を伸ばして彼のほっぺたに触れ、
起きて、と声をかけようとした正にその時。
ぐぅうううー
という、大きなお腹の音…
「っ⁉︎」
私は慌てて自分のお腹を押さえた。
…押さえた所で、どうにもなりはしない。
「…ぷっ」
寝ていたはずの彼が目を閉じたまま
堪えきれない笑いを洩らした。