第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
…なんてきれいに笑うんだろう…
優しくて、自信家で…
自分勝手だけどまっすぐに私を愛してくれる。
この人が好きだけど…
私はどうしたらいいんだろう。
やっぱり私は、私だけを愛してほしいの。
この人にはムリな話だろうか。
…それを無理強いしてこの人を失うよりも
私がそれを我慢していればいいのかしら…
「…睦、悲しそうだな…
ひとりで悩むな…俺にも分けろよ…?
その方が、楽になるだろ?」
荷物を分けろと言ってくれる彼…
でもこんなこと言えないよ。
うまい言葉が見つからないんだ。
だって私は、
まだ好きだと言う言葉も伝えられていないのだから。
いや、さっきは、熱に浮かされて
愛してるとか言わされたけども…。
ならせめて…
「…私の心は筒抜けなんだね。
ありがと…もう大丈夫。悲しくなんか、ない」
笑っていよう。
この人に、心配をさせないように。
「ウソつけ。ムリしてんだろ。
何だ、俺に隠し事すんじゃねぇぞ」
「してない。大丈夫になったんだよ。
天元が、優しくしてくれたから…」
私からもキスをすると
驚いて目をまん丸にしながら、
「…睦、お前…」
言葉を詰まらせた。
それから、ぎゅううっと私を抱きしめて
「やっと俺を好きになったのか?
俺だけを見てくれるのか?」
期待に胸を膨らませていくようだ…
そんな、小さな子どもみたいな態度が
なんだか可愛くて、
つい笑ってしまった私は
こちらからも彼を見上げてみた。
そんな私をハッと目を見張り、
それからフッと緩めた天元は
私の顎に大きく手をかけ、
自分の方を向かせると
「おい、まるで別人だな…
その愛らしい目はなんだ。
俺にそんな目を向けてもいいのか…?」
勘違いされても文句を言うなよと
念押しするように彼は笑う。
そして一瞬押し黙り、
何かを決めたように私を見つめ直した。
「睦、今日は市場へ行こう。
俺が連れてってやる」
「……え?外へ、出てもいいの…?」
「あぁ、その代わり俺も一緒だ。
外は危ねぇからな…?」
驚く私を、楽しそうに見下ろして
いたずらが成功した少年のように笑う。
でも私を抱きしめる腕は逞しくて、
この人は男なんだと思うと
私の胸はキュッと締め付けられた。