第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
まるでおもちゃを取られた子どもみたいだ。
些細な事を
バカみたいに真剣に…
だけど笑えない。
そんな要素、ひとつもない。
そのバカみたいな小さな事に
途方もなく真剣すぎて。
どうしようもない。
「何を…。…できません」
そんな事。
立場が違いすぎて。
「呼ぶまで離さね」
「ばっばかじゃないの⁉︎
そんな小さい事で…!」
立場が違いすぎるのに
ひどい暴言を吐いてしまった。
私もたいがい矛盾してる。
だけど、そうでしょ?
私にはどうでもいい事なんだ。
名前を呼ぼうが呼ぶまいが。
そんなの、カタチだけのこと。
「小せぇよ、でも俺には大きな事だ」
「…わかりません、」
「他のヤツにはするのに
俺にはしないのが気にいらねぇのー」
「柱の方たちの名前は呼びません」
尊敬を込めて。
一線を画すためだ。
そうして自分を引き締めているんだから。
恋柱様も、仲良くさせてもらってはいるけれど
超えることはしない。
「じゃ俺だけ特別ってことか」
…言葉が通じないらしい。
言ってもムダな気がする。
それにしても
この近さには慣れなくて
でも支えられている頬は
微塵も動かす事が出来ないし
そんな責めるような目で凝視められたって
私にはどうすることもできはしない。
「例外はありません」
情けなくも声が震える。
「あっそ」
心底つまらなそうに目を細め
音柱様は額をごつんとぶつけて来た。
「いっ!たぁ!」
石頭か!
頭も筋肉でてきてんのかな!
いや、石か。石頭なんだから。
加えて脳みそが動いたくらいの
大きな衝撃があった。
目の前に星が飛ぶ勢いだ。
咄嗟に額をおさえようとした両手。
でも大きな体に邪魔されてそれは叶わなかった。
何するんですかって
大声で文句を言ってやりたかったのに
鈍痛の続く額に柔らかいものが充てられて
『なにするんですか』の『な』の形に
口を開いたまま固まってしまう。
肩を掴んでいた大きな手が
するりと背中に回され
私の身体を優しく抱きしめた。
「……」
「わりぃ…やりすぎた」
おでこから声がする…